「企業と求職者の最適なマッチング」の実現を目指し、クラウド型の採用管理システム「採用一括かんりくん」を運営している、HRクラウド株式会社。

同社は2024年に創立10周年を迎えました。「採用一括かんりくん」の利用企業は1,000社以上を突破しており、候補者の選考体験を向上させる「採用CX（この企業に応募してよかったと思ってもらえるような価値を企業側が提供する取り組みのこと）」を確実に底上げしています。

そんな「採用一括かんりくん」は過去にUIUX周りで課題を抱えており、HumAInとともにUIUX改善の取り組みを行いました。当時を振り返り、改善できたポイントや、現在も活かされているスキルや学びなどについてお伺いしました。

貴社のサービスの詳細や強みについて教えてください。

自社に合った優秀な人材を採用できる仕組みを構築できるように、「採用一括かんりくん」というATS（Applicant Tracking System：採用管理システム）を開発しました。世の中に様々なATSがある中「採用一括かんりくん」で最も特徴的なのは、「マイページのないATS」という点です。

マイページをなくしたのは何故でしょうか。

佐々：シンプルでわかりやすく、リーズナブルに提供できるサービスが必要とされていると考えたためです。実はマイページへのログインという工程1つをとっても求職者の離脱ポイントになりかねないため、大胆にマイページをなくしました。

マイページをなくすということは他のATSと比較した際、機能が減るのでしょうか。

佐々：求職者が必要としている機能は無くしていません。例えば一般的なATSでは、面接予約を行う際にマイページから該当のボタンを押し、面接予約の操作をおこなう導線になっていることが多いです。一方「採用一括かんりくん」はメールやLINEを通じて面接予約ができるようにしました。このように、むしろ求職者の負荷が減るように日々改良しています。

それは大変頼もしいですね！HRクラウド様は設立から今年で10周年ですね！おめでとうございます！！

佐々・高橋：ありがとうございます！

佐々さんがHRクラウドにジョインしたのが3年前とのことですが、その当時と比べて社内の雰囲気は変わりましたか。

佐々：そうですね、一緒に活躍するメンバーが増えましたね。約3倍程度に増え、パートナーさんも含めると約100名と、にぎやかになりました。

弊社へUIUX改善のご依頼をいただいた際のことを振り返りたいのですが、当時抱えていた課題について教えてください。

佐々：ありがたいことに「採用一括かんりくん」を導入してくださる企業様が増えていった際に、操作方法に関するお問い合わせも同様に増えていき、対応しきれず困っていました。システムの機能自体は良かったものの、UIUX面でユーザーが使いやすいデザインにはまだまだ至っておりませんでした。
もともとUIUX改善はなんとなく取り組まなければならない課題として認識はしていたのですが、カスタマーサポートの窓口が操作方法の問い合わせ対応にひっ迫している状況を目の当たりにし、負荷の解消を喫緊の課題として再認識しました。

その際に、私たちからUIUX改善のご提案をさせていただきましたが、直ぐには改善のお申込みには進まなかったと当時の担当者からは聞いています。

佐々：そもそもUIUX改善という依頼内容が不透明だったため、実際にUIUX改善や改善のためのレビューがどの程度の効果があるのか、打ち合わせでの説明だけだと理解することが難しかったと記憶しています。

そこで弊社側で具体的なイメージをお持ちいただけるようにUIUX改善のご提案資料に追加として、システムのレビューを事前に提示させていただきましたが、いかがでしたか。

佐々：実際のシステム画面のUIUXを批評いただき、現在の課題感を図とテキストで確認できたのは大きかったです。事前のレビューのおかげで、改めて「採用一括かんりくん」のUIUXで改善できるポイントは多々あり、改善のためのスキルとナレッジはHumAInさんにご依頼したいと社内で意見が一致しプロジェクトを開始できました。

インターンシップ中に、弊社のUIUX改善での何か学びはありましたか。

高橋：Figmaのいろはについてインプットができたことが、今のキャリアにも活かせています。当時、Adobeは操作できたもののFigmaは全くわからなかったので、そういったUIUX改善の土台となるスキルも同時に吸収できたのはありがたかったです！

そのような副次的な良さがUIUX改善を通じてあったとのことで嬉しく思います！
現在でも「採用一括かんりくん」などで、弊社からのUIUX改善のノウハウが活かされている点はありますか。

高橋：例えば、HumAInさんからUIUX改善をしていただいた際に納品いただいた、改善のテンプレートなどは現在でも同じように使用しています。UIUX改善のプロジェクトは日々実施しているので、その都度活かしております。
最近では、裏側のシステムが複雑になっているので、UIを直感的に操作できるように細かい部分の改修・アップデートすることで、ユーザビリティの向上に努めております。新規ユーザーさんにもわかりやすく、かつ既存ユーザーさんも大切にした、誰でも使いやすいUIUXを妥協せず追い求めています。

その他、最近のあらたな取り組みはありますか。

高橋：これまでは、サイトやLPで「採用一括かんりくん」のサービスページを公開していませんでした。もちろん掲載が0ということではないですし、商談などのお打ち合わせの際にはご覧いただいていました。要するに会社としてサービスUIを強みとしていなかったのです。ですが、最近では会社全体として常にUIUX改善のサイクルを回し注力しているため、サービスページの公開を積極的に発信しています。

お客様からのお声はいかがですか。

高橋：カスタマーサポートや営業を通して、お客様からのお喜びの声は着実に増えていっていることを実感しています。UIUX改善行動を積み重ね、お客様からのお声なども組み込んだ結果であると認識しています。
直近では「25年卒採用一括かんりくん、UIUXが変わって断然使いやすくなりました」といったお言葉をいただきました。そのおかげで、社内でもデザインの提案がしやすくなりましたね。

UIUX改善を実施して、大変だったところはありましたか。

高橋：レビューをいただいて、改善ポイントも洗い出せた後の実際のUIUX改善作業が大変でした。約270ページにわたるボリューム感は今でも忘れられません。
ただ、その経験は現在のキャリアにも活かせているので、大変だったことでもありやり遂げられた成功体験でもあります！

もし今、再度UIUX改善を受けられるとしたら、レビュー以外にどんなサポートがあったら嬉しいですか。

高橋：当時は私がインターン生だったので、HumAInさんと直接やり取りをおこなうことはありませんでした。もし今お願いするとしたら、UIUX改善レビューをいただく際にお打ち合わせを行い、改善のためのディスカッションや深堀りなどができたら有意義だなと考えます。

直近での「採用一括かんりくん」のUIUXに対して、お客様の評価はいかがでしょうか。

高橋：全体的な評価としては、ご満足いただいております！具体的には「直感的な使いやすさが上がった」というお声が多く寄せられています。とはいえ、UIUX改善は継続的に行い、ユーザビリティを常に向上できるよう努めて参ります！
毎月、複数の改善行動を社内の各部署を巻き込み実施しております。

最後に、貴社のサービスの今後の展望について教えてください。

佐々：人材の採用フローは、「応募」「採用管理」「内定・入社」「定着・活躍」の4つのフェーズに分けられると考えます。今後は採用管理支援で得たデータを基に、企業ごとに内定を出す人材の特徴を分析して可視化したいです。

また、次の段階として入社後に定着、活躍できる人材の特徴も可視化していきたいです。さまざまなデータを元に、どういう人材を採用すべきかを採用管理システム上で可視化し、そういう人材との繋がりをつくる。応募から定着、活躍までを一貫して支援できるサービスを目指しています。